去勢・避妊手術は可哀想?犬の引き取りの条件に多いその理由
- 2017.01.10
- 里親

犬の引き取りの条件の一つに、犬に去勢・避妊手術を受けさせることがあげられます。
健康な犬に傷までつけて手術を受けさせるのは可哀想だと、あなたは思うかもしれません。
でも、出産によって生まれた子犬が多すぎて面倒みれなくなったり、数世代後の犬が飼い主に捨てられてしまったり。
1頭の出産によって多くの不幸な犬を増やしてしまうリスクがあることも理解しておかなければなりまません。
参考記事:悲しい現実!犬の殺処分がゼロにならないのは誰が悪いの?
それなら、「犬が妊娠しないよう気をつければいい」とあなたは思っているかもしれませんね。
でも、考えてみてください。
犬が家を飛び出してしまったり、散歩中に首輪が外れて迷子になったり、ドッグランでちょっと目を離した隙に…。
完全室内飼育で外に出ることがないと言うなら話は別ですが、犬を飼う以上は犬を外に出さないということはありません。
どんなに気をつけたとしても、100%安全とは言えないんです。
参考記事:保護犬の散歩にダブルリードがおすすめ!シングルリードとの違い
そこで今回は、犬を引き取る際の去勢・避妊手術について、お話したいと思います。
去勢・避妊手術を犬の引き取りの条件にする理由
犬を引き取る条件に去勢・避妊手術を受けさせる理由は、不幸な犬をこれ以上増やさないためです。
あなたがどんなに素晴らしい里親だとしても引き取った犬の子犬、そのまた子犬が不幸にならないとは約束はできませんよね。
もちろん、私にも誰にもできないことです。
去勢・避妊手術を受けさせてでも、徹底しなければ殺処分される犬の数を減らすことはできません。
だからこそ、去勢・避妊手術を犬に受けさせることはとても大切なのです。
軽い気持ちで子犬が欲しいからと、犬に出産させてはいけないんです。
参考記事:ペットビジネスの闇!犬に関する詐欺が多いのはなぜ?
とは言え、健康な犬の体に傷をつけることに、あなたは罪悪感を感じるかもしれませんね。
では、去勢・避妊手術を受けたほうが良いメリットについてお話したいと思います。
去勢・避妊手術のメリットとは?
去勢・避妊手術のメリットは、オス犬やメス犬でそれぞれ違います。
それぞれにどんなメリットがあるのか、見ていきましょう。
オス犬が去勢手術を行うメリット
オス犬に去勢手術を受けさせた場合、次のようなメリットが考えられます。
- 望まない妊娠を避けられる
- 前立腺や生殖器官の疾患を発症するリスクを減らせる
- 性的な欲求不満によるストレスを軽減できる
- マーキング(※1)やマウンティング(※2)など問題行動とされる行動が軽減できる
参考記事:犬がマーキングをする意味や室内でさせないための方法
メス犬が避妊手術を行うメリット
メス犬に避妊手術を受けさせた場合、次のようなメリットが考えられます。
- 望まない妊娠を避けられる
- 乳がんや生殖器の疾患を発症するリスクを減らせる
- 性的な欲求不満によるストレスを軽減できる
- 難産や妊娠中毒症(※3)、帝王切開などの出産による死亡リスクが無くなる
このように、犬に去勢・避妊手術を受けさせるメリットもあることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
※1.マーキングとは、自分の縄張りであることを他の犬に知らしめるために行う犬の本能による行動の一つです。他の犬のオシッコがかかった場所よりも高い位置に、自分のオシッコをかけようとする行為。
※2.マウンティングとは、犬が交尾する際に見られる腰を振る行動のことを言います。犬以外にも人間やクッションなどにも行い、性的な行動や自分の方が優位だと示す行動、喜んで興奮しているときなど理由は様々。
※3.妊娠中毒症とは、高血圧や子癇(出産や授乳でお腹にいる子犬にカルシウムが取られてしまい、母犬の血液中のカルシウム濃度が低下する病気)などの症状が起こる病気。
さいごに
今回は、犬の引き取りの条件に多い犬に去勢・避妊手術を受けさせる理由についてお話しました。
その背景にあるのは、殺処分という悲惨な末路を行く犬を二度と生み出さないためだということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
そして、里親として去勢・避妊手術を受け入れるということは、里親としての責任を担う決意表明だと私は思います。
参考記事:保護された犬の幸せのために必要な里親の心構えとは?
あなたは、里親としての責任を全うする覚悟はありますか?
⇒保護犬の里親になるための心構えや手続き・登録について解説へ
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