犬が耳を後ろに倒すしぐさの意味や気持ちについて調べてみた
- 2017.04.12
- 気持ちや心理

愛犬が耳を後ろに倒すしぐさを見たとき、「どんな意味があるのだろう?」と疑問に感じたことはありませんか?
耳には音の大小や高低などを聞き分けたり、平衡感覚を保ったりする役割があります。
さらに、犬の耳は傾き方や後ろに倒すしぐさで意味が変わってしまうのです。
愛犬が後ろに耳を倒したとき、どんな気持ちなのか知りたいと思いませんか?
そこで今回は、犬が耳を後ろに倒す意味や気持ちについてご紹介したいと思います。
まずは、犬の耳の役割について理解を深めていきましょう。
犬の耳の種類について
体の大きさや毛色など、犬にはさまざまな種類が見られるように、犬種によって耳の形も異なります。
犬の耳の形はこちらの2種類に分けられます。
- 立ち耳
- 垂れ耳


細かく分けると10種類以上になるので、犬の耳の種類に興味がある人は「犬の耳 種類」で調べてみてくださいね。
それにしても、同じ犬なのになぜ、立ち耳と垂れ耳があるのでしょうか?
立ち耳と垂れ耳の違いには理由があった!
犬は元々、立ち耳の犬種しか存在していませんでした。
自分で獲物を捕らえるためには、立ち耳のこの構造がとても重要な役割を果たしていたのです。
頭の上に耳があると広範囲にわたって音をとらえることができます。
そのため、獲物を探したり危険を察知したりするときに、立ち耳だと都合が良かったという訳なのです。
立ち耳の犬種には、シェパードや柴犬などがあげられます。
一方で、垂れ耳には余計な音や風をさえぎる特徴があります。
そのため、人間が狩りをするときに、撃ち落とした獲物を追跡させるのに都合が良いのです。
顔の横に垂れた耳は、周囲の音や風をさえぎるため、犬は獲物のニオイに集中して追跡することができます。
垂れ耳の犬種には、猟犬として活躍していたビーグルやダックスフンドなどがあげられます。
では次に、犬の立ち耳と垂れ耳の違いを踏まえ、犬の耳の役割について見ていきましょう。
犬の耳の役割について
犬の耳には、次のような役割があります。
- 音を聴く
- 平衡感覚を保つ
- 感情表現
1と2は、人間の耳の役割と同じですね。
音を集め、耳の中で振動に変えて脳に伝えることで、誰の声でどこから聞こえるのかを判断します。
また、耳には三半規管(さんはんきかん)と呼ばれる平衡感覚を司る器官があります。
三半規管が正常に働くことで真っ直ぐに歩くことができたり、つまずきそうになってもバランスを取ったりすることができます。
そして、3にある感情表現は犬ならではの役割といえます。
では、感情表現について、もう少し深く掘り下げてみることにしましょう。
犬は耳介筋を使って耳を動かしている!
犬が自由に動かせる理由として、耳介筋(じかいきん)という筋肉が発達しているためです。
この耳介筋は顔面神経によって動かしたい方向に自由に動かせるという訳なんです。
顔面神経というと、顔の表情をつくる上で重要な神経として知られています。
犬が耳介筋を使って耳を動かすのは、2つの意味があったのです。
- 音源がどこからなのかを探るため
- 表情をつくるように感情表現するため
犬が自由に耳を動かす2つの意味
犬はもともと立ち耳で、狩りや危険を察知するために都合が良かったとお話しました。
犬は身を守るために耳を傾けて広範囲から音を集めていたのでしょう。
これが、耳を自由に動かす一つ目の意味です。
そして、二つ目の意味は耳やしっぽなどの全身を使った感情表現です。
犬はボディランゲージ(※1)やカーミングシグナル(※2)を使い分けて、自分の気持ちや感情を相手に伝えることができるといわれています。
私たちが表情筋を動かして笑顔になったり怒ったりするのと同じように、犬は耳を傾けて気持ちや感情を表しているのでしょう。
※1.ボディランゲージとは、尻尾や耳などの全身を使って自分の感情や気持ちを相手に伝えるしぐさや行動を言います。
※2.カーミングシグナルとは、相手との争いを避けるために行うしぐさや行動のことを言います。「カーミング」は落ち着かせる、「シグナル」は信号という意味があり、自分や相手を落ち着かせるためのサインを表します。
犬が耳を自由に動かせる理由や意味が分かったところで、いよいよ本題です!
犬が耳を後ろに倒すときの意味や気持ちは?
ここまで読んでくださったあなたなら、犬が耳を後ろに倒すしぐさにもちゃんとした意味や気持ちがあることがお分かりのはずです。
ただ、先ほどお話したように、耳の動き1つだけでは犬の気持ちを正確に知ることはできません。
つまり、あなたの愛犬が耳を後ろに倒すときに、犬の表情やしっぽの動きなどを観察する必要があるのです。
犬が耳を後ろに倒す+〇〇の行動で分かる犬の気持ち
犬の気持ちを正確に知るためには、表情やしっぽ、体勢などを観察する必要があります。
耳を後ろに倒すときの愛犬の気持ちを探ってみましょう!
恐怖を感じ身構えている場合
犬が何かに恐怖を感じ、身を守ろうと身構えているときは、次のようなしぐさや行動が見られるでしょう。
- 耳を後ろに倒す
- 鼻の上にシワを寄せる
- 瞳孔や口角が広がる
- 尻尾を下げ後ろ足の間に挟み込む
- 低い体勢をとる
- 背中の毛を逆立てる
また、歯をむき出しにしている場合は、手を出すと咬まれる恐れがあるため犬が落ち着くのを待ちましょう。
敵意がないことを伝えようとしている場合
犬が相手に敵意がないことを伝えようとしているときは、次にあげるしぐさや行動が見られるでしょう。
- 耳を後ろに倒す
- 口角が下がる
- 舌をペロペロさせる
- 尻尾を下に下げている
- 低い体勢をとる
- なだめるような行動をとる
犬は相手が緊張状態にあることを察知し、「大丈夫だから、興奮しないで」と相手をなだめようとしています。
ただ、相手がどんな反応をするのかが不安なのは犬も同じです。
そのため、犬を驚かしたり怖がらせたりする行動はとらないように気をつけましょう。
究極の服従行動をとる場合
犬にとって究極とも言える服従行動を取るときには、こんなしぐさや行動が見られるでしょう。
- 耳を後ろに倒す
- 相手と視線を合わさない
- 尻尾を体の方へ折り込む
- お腹を見せ仰向けになる
犬にとってお腹を見せて仰向けになるポーズは、自ら急所を見せる行為で究極の服従行動といえます。
相手に敵意がないことが伝わらなかった場合、お腹を見せて無防備な状態になることで「ボクはこの通り、キミに何もするつもりはないよ」と伝えようとしています。
信頼や友好を表している場合
犬が飼い主に信頼をおいている場合や友好を表すときは、次のようなしぐさや行動が見られるでしょう。
- 耳を後ろに倒す
- 尻尾を左右に大きく振る
- 口角が上がり笑っているように見える
- 穏やかな表情を見せる
- 前足を伸ばしてお尻を上げる体勢をとる
前足を伸ばしてお尻を上げる体勢は「プレイバウ」と呼ばれており、相手に「遊ぼうよ」と誘うときに見せる犬の代表的な行動です。
このように、「耳を後ろに倒す」しぐさは、体勢や表情などによって意味が大きく異なるのです。
愛犬が耳を後ろに倒したときのしぐさや行動を観察してみてはいかがでしょうか?
さいごに
いかがでしたか?本題に入るまでがちょっと長くなってしまいました (;^_^A
ただ、犬の耳の役割を理解することで、犬が持つ能力や魅力を知ることができましたね!
ぜひ、あなたも愛犬のしぐさや行動を観察してみてください。
愛犬が今どんな気持ちでいるのか、今どんな音源を探しているのだろうとかと、犬目線で想像してみると面白い発見があるかもしれませんよ♪
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