飼い主が呼んでも来ない犬!「おいで」の教え方を紹介
- 2017.11.09
- 飼い方

「おいで!」と愛犬を呼んでも顔をこちらに向けただけで、すぐにそっぽを向かれた経験がありませんか?
「マテ」や「オスワリ」はできるのに、「おいで」だけができないという方もいるかもしれませんね。
飼い主の指示を一つも利かない場合を除いて、「おいで」だけができないのには犬なりの理由があるんです。
犬の気持ちや感情を無視して声を強めたり、しつこくトレーニングを強いたりしても良い方向には進んでくれないものです。
そこで、今回は「おいで」の教え方をご紹介したいと思います。
まずは、あなたの愛犬に「おいで」と呼んでも来ない理由について、考えてみましょう!
愛犬に「おいで」と呼んでも来ないのはなぜ?
「おいで!」と部屋の隅で横になる愛犬を呼ぶあなた。あなたの声に愛犬は顔を上げ、こちらを見ます。
でも、反応は見せるものの、また顔を伏せて横になります。
あなたはどうしても愛犬を呼び寄せたくて、少し声を強めて再び言います。
「おいで!!」
愛犬は今度は顔を上げることなく、まるであなたの声が聞こえないかのように反応を示しません。
愛犬に無視されたと感じ、あなたはさらに声を荒げて言います。
「おいで!!!」
愛犬は声に反応するものの、こちらを見ているだけでこちらに来ようとはしません。
さて、この話を読んでみて、あなたはどう感じたでしょうか?
「ウチの愛犬も全く同じ!」
「飼い主と犬との信頼関係ができていないんでしょうね…」と思いましたか?
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もしくは、「声を荒げるのが良くないのでは?」「犬がおいでを理解していないのでは?」と思ったかもしれませんね。
この話から私たちが学べることは、飼い主が一切、犬の気持ちや感情を理解しようとしていないということです。
犬の気持ちや心理について詳しい記事を読みたい方は、こちらをご覧ください。
↓ ↓ ↓
犬の気持ちや心理について
あなたは「しつけに犬の気持ちや感情なんて理解する必要があるの?」と思うかもしれません。
果たして、犬のしつけには犬の気持ちや感情を理解するのは必要ないと言い切れるでしょうか?
私は、そうは思いません。では、詳しくお話していきたいと思います。
愛犬にとって「おいで」は嫌なことだと認識している
「マテ」や「オスワリ」ができるのに「おいで」だけができないのには、理由があります。
それは、ただ単純に犬にとって、「おいで」に従うメリットがないからです。
メリットと言うと語弊があるかもしれませんが、犬は『良いことがありそう♪』と、思えるかどうかで行動が変わってきます。
思い出してみてください。
あなたが愛犬に「マテ」や「オスワリ」をさせる時は、大抵おやつをあげたり、褒めてあげることが多くありませんか?
一方で、「おいで」を指示する時に、愛犬を抱き上げたり、リードを付けたり、愛犬の自由を奪ってしまうような行動を取っていませんか?
また、飼い主のそばに来るまで、しつけをしつこくやったり。
つまり、「おいで」に従わない犬にとって、「おいで」と呼ばれて飼い主の元へ行くことは嫌なことをされるというイメージが強いのです。
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では、どうしたらいいのでしょうか?
「おいで」は良いことがあると教えれば良い!
愛犬の「おいで」に対するイメージを良くするためには、「おいで」に従うと良いことがあると教えてあげれば良いのです。
とは言え、その「良いことがあると教える」ことこそ、難しいところなのです。
嫌なイメージから良いイメージに変えることは、なかなか難しいものです。
でも、しっかりと愛犬と向き合ってしつけをしていけば、「おいで」を習得することも可能です。
では、呼んでも来ない愛犬に「おいで」を教える方法を見ていきましょう。
呼んでも来ない愛犬に「おいで」を教える方法
愛犬に「おいで」を教えるその前に、飼い主自身が理解しておかなければならないことがあります。
それは、「おいで」を使うタイミングを理解することです。
「おいで」ができるようになると、様々な状況で愛犬を守ることができます。
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では、詳しくご紹介します。
「おいで」を使うタイミングを理解することが大切!
なぜ、「おいで」を使うタイミングを理解することが大切なのかと言うと、愛犬にとって「おいで」は100%良いことだと教える必要があるためです。
つまり、飼い主の気分次第で「おいで」の意味を歪めてしまわないようにすることが大切なのです。
たとえば、
- 叱る時の口調で「おいで」と言う
- イライラした表情で「おいで」と言う
- 「おいで」と言って来た愛犬を叱る
- 「おいで」と言って来た愛犬を抱き上げる
- 「おいで」と言って来た愛犬をリードで繋ぐ
- 「おいで」と言って来た愛犬に何もしない
などです。
これらの飼い主の行動によって、愛犬は「おいで」と呼ばれてそばに行くと、『叱られる』、『自由を奪われる』、『何も良いことがない』と認識してしまいます。
「おいで」と呼んで、愛犬が喜んで走ってきてくれるようにするためにも、「おいで」の後の行動に注意しましょう。
良い行動例は、
- 笑顔で「おいで」と言う
- 「おいで」と呼んでも反応しない時には、時間を置いてから再びチャレンジする
- 「おいで」と言って来た愛犬にご褒美のおやつやおもちゃをあげる
- 「おいで」と言って来た愛犬と遊んであげる
- 「おいで」と言って来た愛犬をいつも以上に褒めてあげる
などオーバーなくらい、愛犬を褒めてご褒美をあげましょう!
何度も繰り返し行うことで、あなたが「おいで」と呼ぶ度に喜んで走ってきてくれることでしょう。
「おいで」を教える方法を実践してみよう!
では、いよいよ愛犬に「おいで」を教える方法をご紹介します。
最初は安全を確保するためにも、室内で「おいで」を教えましょう。
室内でできるようになってから、徐々に外でできるように繰り返し行っていきましょう。
「おいで」を教える手順は、次の通りです。
- 愛犬の大好物のおやつやおもちゃで愛犬の興味を引く
- 愛犬が飼い主の元へ歩き出したら「おいで」と言う
- 飼い主の目の前に来るまで待つ
- 飼い主の目の前に来たら褒める
- おやつやおもちゃを愛犬に与える
では、1つずつ詳しく説明していきます。
愛犬の大好物のおやつやおもちゃで愛犬の興味を引く
まず、1でおやつやおもちゃを使って、愛犬の興味を引くことが大切です。
飼い主が「おいで」を教えようと意気込んでも、愛犬がその気にならなければ意味がありません。
愛犬の興味を引ける大好物のおやつや大好きなおもちゃなどを用意しておきましょう。
もしも、愛犬の興味を引けるものがない場合は、
- いつも食べているドッグフードを使ってみる
- 新しいおもちゃを試してみる(ボール、ロープ、音が鳴るおもちゃ、ぬいぐるみ、フリスビー、コングなど)
- 新しいおやつを試してみる(肉系のニオイの強いおやつ、犬用チーズ、犬用ボーロなど)
- 飼い主の靴下やタオルなど愛犬が興味を持っているもの
などを試してみましょう。
ただ、最後の飼い主の靴下やタオルなどを使用する場合は、ニオイを嗅がせるだけで与えないようにしましょう。
愛犬が飲み込んでしまえるサイズだと、とても危険な状態を招く恐れがあります。
愛犬が飼い主の元へ歩き出したら「おいで」と言う
愛犬の興味が引けるものを用意でき、愛犬があなたの元へと歩き出したら「おいで」と言いましょう。
「おいで」を言うポイントは、愛犬があなたの方を向いて歩き出したタイミングを狙うことです。
愛犬の歩き出すタイミングに「おいで」を言うことで、犬は飼い主の元へ歩いて行くことが「おいで」の意味だと理解するようになります。
飼い主の目の前に来るまで待つ
愛犬に「おいで」と言った後は、愛犬があなたの目の前まで来るまで待っていましょう。
待っている時は、愛犬のおやつやおもちゃへの興味を失わせないことが大切です。
愛犬が目の前に来るまでは、手を伸ばしておやつやおもちゃで愛犬の興味を引き続けましょう。
飼い主の目の前に来たら褒める
愛犬があなたの目の前に来たら、たくさん褒めてあげましょう。
「偉かったね!」「お利口さんね!」「よくやった!」と、いつも褒める言葉でたくさん褒めてあげましょう。
愛犬を褒める時のポイントは、
- いつもよりもワントーン高めの声で褒める
- いつもよりもっとステキな笑顔で褒める
- 愛犬の名前を呼びながら褒める
などを参考に、愛犬をたくさん褒めてあげてくださいね!
とは言え、数分間ずっと褒める必要はありません。数秒~十数秒程度で良いでしょう。
ちなみに、犬は飼い主の些細な表情や声の高さなどから感情や心理を読み取る能力があります。
愛犬を褒めるときは、心の底から喜ぶようにしないと見透かされてしまうかもしれませんよ。
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おやつやおもちゃを愛犬に与える
愛犬をたくさん褒めてあげた後は、愛犬の大好物であるおやつやおもちゃを与えてあげましょう。
おやつやおもちゃなど愛犬に与えられるご褒美がない場合は、愛犬が喜ぶ遊びなどをしてあげると良いです。
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さらに難易度を上げて「おいで」を教える方法
ここまで、基本的な「おいで」を教える方法をご紹介してきました。
さらに、ここからは難易度を上げて「おいで」を教える方法をご紹介します。
基本的な「おいで」をマスターできたら、こちらの方法にチャレンジしてみてください。
- 愛犬に「おいで」と言う
- 愛犬が飼い主の元に来たら、「オスワリ」をさせる
- 「オスワリ」ができたら、褒めてご褒美を与える
- お座りした愛犬に「マテ」をさせ、飼い主は愛犬から数m離れた場所に移動する
- 愛犬に「おいで」と言い、「オスワリ」ができたら褒める
※ご褒美は与えず、褒めるだけです - 再び4を行い、ご褒美を与える回数を2回に1回、3回に1回、4回に1回と、徐々にご褒美を与える頻度を減らす
- 室内だけでなく、外でも同じように「おいで」ができるように行う
※外でやり始める時は静かで安全な場所で行いましょう!
このように、ご褒美を与える頻度を徐々に減らしていくことで、おやつを与えなくても「おいで」に対する『良いことがありそう♪』のイメージを崩さずに「おいで」ができるようになります。
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ただ、ご褒美はなくても、飼い主であるあなたが愛犬を褒めることこそ愛犬にとっての最大のご褒美となります。
大好きな飼い主さんに褒められて嬉しくない犬はいません。
もしも、褒めても喜んでいる素振りがないのなら、それは褒められていると理解できていないのかもしれませんね。
愛犬の褒め方については、また別の機会にご紹介したいと思います。
では次に、今までできていたのに、急に「おいで」ができなくなった場合についてご紹介したいと思います。
今の時点で問題なく「おいで」ができていれば、読む必要はありません。
ただ、この先同じことがないように注意したいという方は、このまま読み進めていただければと思います。
急に「おいで」に従わなくなったら?
今まで「おいで」ができていたのに、なぜか急に「おいで」ができなくなった。
そんな悩みを持つ飼い主さんも少なくありません。できていたことが急にできなくなった。
そのことが意味しているのは、一体どんなことなのでしょうか?
では、一緒に検証してみましょう。
今まで「おいで」ができていたと言うことは、愛犬が「おいで」を理解していたということが分かります。
この場合、考えられる原因は、
- 「おいで」に対する嫌なイメージがついた
- しつけの時間が長くなり過ぎた
- 「おいで」を行う環境の変化
- 飼い主の「おいで」のタイミングの変化
- 飼い主の「おいで」の伝え方の変化
- 飼い主の指示語の変化
などがあげられます。では、1つずつ詳しく見ていきましょう。
「おいで」に対する嫌なイメージがついた
今、あなたの愛犬は何らかの原因によって「おいで」に対する悪いイメージのリバウンドが起こっている状態です。
たとえば、
- 「おいで」のご褒美の頻度を減らすタイミングが早すぎた
- しつけ中に不安や恐怖を煽ることがあった
- ケガや病気など身体的な問題がある
などがあげられます。
愛犬がケガや病気などで体に痛みを伴っている場合、動くことも辛いのかもしれません。
「おいで」に従うと、痛みが増すことを悪いイメージとして捉え、「おいで」に従わなくなることも考えられます。
「おいで」に対する悪いイメージは、愛犬の性格や置かれた環境などによっても異なるものです。
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なので、愛犬がどんな理由で「おいで」をしなくなったのかを記憶が確かなその日のうちに見直してみましょう。
悪いイメージが見つかった場合は、基本の「おいで」の教え方からしつけをし直しましょう。
また、どこかに痛みを感じるのであれば、動物病院で診察を受けましょう。
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[blogcard url=”http://light-comes-in.jp/pet-insurance/”]
もしも、悪いイメージの原因が見つからない場合は、「来い」や「カム(come)」など指示語を変えて、しつけし直すのも1つの手です。
しつけの時間が長くなり過ぎた
愛犬が飼い主の指示する通りにできると、ついつい嬉しくなって「もっと、もっと!」としつけの時間が長くなってしまうものです。
でも、犬は人間ほど長い時間ずっと高い集中力を保ち続けることはできません。
もちろん、高度な訓練がされている犬は別ですが、一般的な家庭犬の場合は、大体15分くらいを目安にしつけを切り上げることをおすすめします。
人でも集中力を要する作業をするとき、ある程度の時間の限界というものがあります。
犬の場合も同じで、高い集中力を保てる時間は15分くらいなのです。
もしも、しつけの時間が長くなっていたことが「おいで」をしなくなった原因だった場合は、15分を目安にして終わらせるようにしましょう。
「おいで」を行う環境の変化
自宅の中で「おいで」ができていたのに、外では「おいで」ができないことがあります。
それは安全で誘惑が少ない自宅だからこそ、「おいで」ができているのです。
自宅を一歩出れば、犬にとって誘惑するものがたくさんあります。
たとえば、
- 草むら
- 他の犬や他の犬がしたマーキング
- 他の家から漂う夕食のニオイ
- 自転車やバイクに乗る人
- 通り過ぎる車のエンジン音
などがあげられます。外には危険もあれば、誘惑もたくさんある訳です。
このように、「おいで」をする環境が変化することで、できなくなるのです。
この場合は、段階を追って徐々に外の環境に慣らしていくことが大切です。
もしも、あなたが子犬から育てているのなら、初めて外を歩かせたときのことを思い出してみると良いでしょう。
もしも、子犬の飼育経験がないのなら、室内→玄関先→自宅周辺→外の静かで安全な場所→人や犬が通る場所→自転車やバイク、車が通る場所などのように、徐々に難易度を上げて慣らしていきましょう。
飼い主の「おいで」のタイミングの変化
飼い主の「おいで」を言うタイミングが変わることで、愛犬に正しく「おいで」が理解されなくなっていることが考えられます。
たとえば、
- 犬が飼い主の方を向いていないときに「おいで」と言っている
- おやつやおもちゃなどで興味を引く前から「おいで」と言っている
- 犬が眠たそうなときや寛いでいるときに「おいで」と言っている
などがあげられます。
「おいで」を言うタイミングは、飼い主の方を向いて歩き出したときです。
飼い主の方に意識を向けていなかったり、おやつやおもちゃで興味を引く前から「おいで」と言うと、犬は「おいで」を正しく理解することができなくなります。
また、眠たそうなときや寛いでいるときに「おいで」を言うと、リラックスしているのを妨害してしまうことになるので注意しましょう。
[blogcard url=”http://light-comes-in.jp/dog-sigh/”]
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「おいで」の基本からもう一度やり直し、「おいで」を言うタイミングに注意して教えましょう。
飼い主の「おいで」の伝え方の変化
「おいで」のタイミングと同じく、気をつけたいのが「おいで」の伝え方です。
「おいで」の指示に愛犬が従うようになると、ついつい伝え方を自分なりにアレンジしてしまうことがあります。
たとえば、
- 「おいで、おいでー」と何度も言う
- なかなか来ない愛犬に「おいで!!」とイライラしながらどなって言う
- 飼い主が愛犬を見ないで「おいで」と言う
などがあげられます。
この場合、犬はいつもの「おいで」と違うと判断するため、飼い主に従わなくなってしまうのです。
飼い主の指示語の変化
よくあることとして、家族で1人1人が犬に出す指示語が違い、犬が混乱して「おいで」ができなくなるケースがあります。
この場合、愛犬に正しく「おいで」を理解させるためにも基本に忠実に行い、指示語を統一して、一貫性のあるしつけを行うようにしましょう。
人だって、いろんな人から違うことを言われたら混乱してしまいますからね。犬も同じなのです。
犬の気持ちに立って、犬が分かりやすい教え方を心がけるようにしましょう!
さいごに
今回も大作になってしまいました(笑)
ここまで、全て読んでくださったあなたに、感謝いたします。
一般的な「おいで」の教え方にプラスして、私個人の見解も一緒にご紹介してきました。
「おいで」の教え方には様々な方法があります。必ずしもそれらの方法があなたの愛犬に合っているものなのかは分かりません。
でも、愛犬が「おいで」を理解するためには、飼い主であるあなたの一工夫にかかっていると私は考えます。
性格や理解力の違う相手に同じ教え方をしても片方は理解してくれるけど、片方には理解してもらえないことがあります。
これは犬も同じだと思うのです。犬にもそのコの個性がありますし、もちろん置かれた環境などによっても左右されるものです。
だからこそ、愛犬の気持ちになって、どうやって興味を引くか?どうやって理解してもらうか?
あなたなりの工夫をして愛犬に「おいで」を教えてあげましょう!
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